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論文

定常核融合炉を目指したJT-60の最近の成果

二宮 博正

日本原子力学会誌, 45(4), p.243 - 248, 2003/04

日本原子力研究所の大型トカマク装置JT-60では、プラズマの温度,密度を高め、またエネルギーの閉じ込めを良くするためには、プラズマ電流分布やプラズマ圧力分布を適切に制御することが重要なことを明らかにしてきた。この結果、1996年には、重水素―トリチウム燃料に置き換えたときのプラズマ加熱パワーと核融合反応出力の比率である等価エネルギー増倍率で1.05を得て臨界プラズマ条件を達成するとともに、1998年には等価エネルギー増倍率1.25という世界最高性能のプラズマを実現した。さらに、世界に先駆けて核融合炉に要求されるプラズマの各種目標性能を同時に達成する研究を進め、国際熱核融合実験炉(ITER)に対し重要な貢献を果たすとともに、世界のトカマク型定常核融合炉の研究開発を牽引・先導してきた。併せて、これらの研究を支えるプラズマの加熱・電流駆動装置等の開発・改良を行い、炉工学への貢献も行ってきた。本稿では、これらJT-60の研究全体を概観しつつ、最近の成果と今後の展望を報告する。

論文

Sustainment of high confinement in JT-60U reversed shear plasmas

藤田 隆明; 鎌田 裕; 井手 俊介; 竹治 智; 坂本 宜照; 諫山 明彦; 鈴木 隆博; 及川 聡洋; 福田 武司; JT-60チーム

Nuclear Fusion, 42(2), p.180 - 186, 2002/02

 被引用回数:31 パーセンタイル:68.29(Physics, Fluids & Plasmas)

強力な内部輸送障壁の形成により高い閉じ込め性能を発揮するJT-60の負磁気シア放電の長時間維持の実験の結果を報告する。高電流のLモード境界の放電においては、蓄積エネルギーの帰還制御を用いてプラズマの$$beta$$値を精密に調整することにより、等価エネルギー増倍率=0.5を0.8秒間(エネルギー閉じ込め時間と同程度)維持した。高三角度のELMy Hモード境界の負磁気シア放電においては、ポロイダル$$beta$$を上昇し自発電流率を向上することにより負磁気シア領域の縮小を抑制し、高閉じ込めの準定常維持を実現した。高安全係数領域にて自発電流率80%を得て、完全非誘導電流駆動を達成した。規格化$$beta$$値2,閉じ込め改善度3.5を2.7秒間(エネルギー閉込め時間の約6倍)維持した。

論文

High radiation and high density experiments in JT-60U

久保 博孝; 櫻井 真治; 朝倉 伸幸; 木島 滋; 玉井 広史; 東島 智; 逆井 章; 竹永 秀信; 伊丹 潔; 清水 勝宏; et al.

Nuclear Fusion, 41(2), p.227 - 233, 2001/02

 被引用回数:53 パーセンタイル:81.56(Physics, Fluids & Plasmas)

高加熱入力を伴う大型トカマク装置において高い放射損失と高い閉じ込め性能を有する高密度プラズマを実証することが、国際熱核融合実験炉(ITER)開発の重要な物理課題である。JT-60Uでは、ITERの標準運転シナリオであるELMy Hモードに、Arを入射することによって、Greenwald限界の約70%の密度まで比較的対閉じ込め改善度(H$$^{89PL}$$~1.4)を得た。この時、放射損失パワーは加熱パワーの約80%に達し、ダイバータプラズマは非接触状態になった。また、先進運転シナリオとして期待される負磁気シアプラズマに対しては、内部輸送障壁を維持しつつ、Ar入射によって放射損失パワーを加熱パワーの約65%に増加した。

論文

Radiation enhancement and impurity behavior in JT-60U reversed shear discharges

久保 博孝; 櫻井 真治; 朝倉 伸幸; 清水 勝宏; 伊丹 潔; 木島 滋; 小出 芳彦; 藤田 隆明; 竹永 秀信; 東島 智; et al.

Proceedings of 28th European Physical Society Conference on Controlled Fusion and Plasma Physics, Volume 25A, p.1353 - 1356, 2001/00

負磁気シア放電は、定常トカマク型核融合炉の運転シナリオとして有力な候補である。一方、ダイバータ板への熱負荷の低減には、不純物入射による放射損失の増大が有効である。JT-60では、内部輸送障壁を有する高閉じ込め(閉じ込め改善度: H$$_{89PL}>$$2)の負磁気シア放電に、Ne及びArを入射することにより、放射損失を増大(放射損失割合: P$$_{rad}$$/P$$_{net}>$$0.7)した。特に、Neをダイバータ側から入射した場合には、X点MARFEの発生により放射損失が増大し、ダイバータプラズマが非接触状態になった。この非接触ダイバータを維持しつつ、内部輸送障壁が成長し、閉じ込め改善度が1.2から1.6に増大した。この時、Ne及びCの密度分布にも内部輸送障壁が観測されたが、その密度分布は電子密度分布とほぼ同じであり、不純物の選択的な蓄積は観測されなかった。

論文

改善閉じ込めと新古典効果

白井 浩; 菊池 満; 滝塚 知典; 安積 正史

プラズマ・核融合学会誌, 75(4), p.444 - 451, 1999/04

JT-60Uの内部輸送障壁(ITB)を持つ中心閉じ込め改善プラズマにおける巨視的閉じ込め特性及び局所輸送特性を径電場シア形成の観点から研究した。改善閉じ込めモードの熱拡散係数の基準となる新古典拡散をMatrix Inversion法を用いて再評価した。得られた新古典拡散係数は、従来広く用いられてきたChang-Hintonの評価式の値の約半分になった。JT-60UのITBは、その圧力分布から大きく「パラボラ型ITB」と「箱型ITB」に分類することができる。パラボラ型ITBでは、プラズマ中心領域全体で熱輸送係数は軽減されるが、径電場シアは弱い。一方、箱型ITBでは薄い内部輸送障壁層において非常に強い径電場シアが形成され、熱拡散係数は新古典拡散程度まで減少する。内部輸送障壁層において径電場シアにより生じるE$$times$$Bフローシアの大きさは、微視的不安定性の成長を十分抑制しうる。

論文

Recent experimental and analytic progress in the Japan Atomic Energy Research Institute Tokamak-60 upgrade with W-shaped divertor configuration

白井 浩; JT-60チーム

Physics of Plasmas, 5(5), p.1712 - 1720, 1998/05

 被引用回数:43 パーセンタイル:77.9(Physics, Fluids & Plasmas)

本年6月に完了したJT-60Uのダイバータ改造後の実験の進展について報告する。ダイバータ排気付きW型ダイバータに改造したことにより、不純物制御、熱制御性能が向上した。ヘリウムビーム入射による$$alpha$$灰排気模擬実験では、ダイバータ排気により、プラズマ内の滞留ヘリウムを低濃度に抑えることに成功した。またELMy Hモード実験では、9秒間に及ぶ積算203MJのNBI加熱エネルギーにもかかわらず、重水素のリサイクリングや炭素不純物の増加を伴うことなく、良好なエネルギー閉じ込め改善度1.7を保持した。負磁気シア配位プラズマでは、内部輸送障壁形成後のNBIパワー抑制により、ディスラプション発生を回避し、4秒以上エネルギー閉じ込め改善度1.7のELMy Hモード状態を維持した。また負磁気シア配位で、内部輸送障壁において発生するドリフト波不安定性が、プラズマ回転による電場形成で抑制されることを明らかにした。

論文

High performance reversed shear plasmas with a large radius transport barrier in JT-60U

藤田 隆明; 波多江 仰紀; 及川 聡洋; 竹治 智; 白井 浩; 小出 芳彦; 石田 真一; 井手 俊介; 石井 康友; 小関 隆久; et al.

Nuclear Fusion, 38(2), p.207 - 221, 1998/02

 被引用回数:64 パーセンタイル:86.63(Physics, Fluids & Plasmas)

大きな半径の輸送障壁を保ちつつ、JT-60Uの負磁気シアー放電の運転を低q、高電流領域に拡張し、高い核融合性能を得た。JT-60UにおけるDT換算核融合エネルギー増倍率Q$$_{DTeq}$$の記録を更新し、Q$$_{DTeq}$$=1.05を達成した。qの極小値q$$_{min}$$の半径のすぐ内側に電子密度、電子温度、イオン温度の急勾配を有する内部輸送障壁を形成することにより大幅な閉じ込め改善が得られた。内部輸送障壁形成後にプラズマ体積や加熱パワーを調整して圧力分布・電流分布を制御しながらプラズマ電流をランプアップすることにより、q$$_{min}$$~2の低q領域においてプラズマ半径の80%に及ぶ広い負磁気シアー領域を得た。エネルギー閉じ込め時間は、内部輸送障壁の半径とともに、またq$$_{min}$$の低下とともに増大した。実効的一流体熱拡散係数は、内部輸送障壁において極小値を有する。プラズマの性能は、q$$_{min}$$~2,$$beta$$$$_{N}$$~2で発生するプラズマ崩壊により規定された。

論文

Internal transport barrier for electrons in JT-60U reversed shear discharges

藤田 隆明; 井手 俊介; 白井 浩; 菊池 満; 内藤 磨; 小出 芳彦; 竹治 智; 久保 博孝

Physical Review Letters, 78(12), p.2377 - 2380, 1997/03

 被引用回数:256 パーセンタイル:98.24(Physics, Multidisciplinary)

JT-60Uの負磁気シアー放電において新しい種類の内部輸送障壁が観測された。この内部輸送障壁は電子温度・密度分布に明瞭な急勾配を持ち、電子およびイオンの実効的熱拡散係数の著しい低減を伴う。電子の実効的熱拡散係数は輸送障壁内で急崚に低下し、5cmで20分の1となる。イオンの実効的熱拡散係数は通常の新古典理論に基づく計算値の4分の1以下である。輸送障壁の内側においてイオン温度と電子温度の比は1.5より小さい。輸送障壁は磁気シアーが負の領域に存在し、プラズマ小半径の60%を越えて広がっている。内部輸送障壁の形成により高い閉じ込め性能を有する高密度プラズマが得られた。

論文

Enhanced core confinement in JT-60U reversed shear discharges

藤田 隆明; 井手 俊介; 木村 晴行; 小出 芳彦; 及川 聡洋; 竹治 智; 白井 浩; 小関 隆久; 鎌田 裕; 石田 真一; et al.

Fusion Energy 1996, Vol.1, p.227 - 237, 1997/00

JT-60Uの負磁気シアー放電において、内部輸送障壁の形成による閉じ込め改善が得られた。安全係数が極小となる位置のすぐ内側に明瞭な電子密度・電子温度・イオン温度の急勾配が観測された。この輸送障壁はプラズマ小半径の65%にまで広がり、大きな閉じ込め改善をもたらした。エネルギー閉じ込め時間、プラズマ蓄積エネルギーはプラズマ電流とともに増大し、2.5MAにおいてそれぞれ1.08s、9.56MJに達し、いずれもJT-60Uの最高値を記録した。等価DT核融合エネルギー増倍率においても従来の記録(0.6)を大きく更新する0.8という値を得た。電流ランプアップ中に輸送障壁を形成し高い電子温度を得ることが高電流領域において広い輸送障壁を維持するために有効であった。この閉じ込め改善はイオン温度と電子温度の比が1.4という炉心条件(イオン温度=電子温度)に近い状態で得られており、核融合炉の運転モードとしても適している。

論文

A Compact W-shaped pumped divertor concept for JT-60U

細金 延幸; 櫻井 真治; 清水 勝宏; 飯尾 俊二*; 嶋田 道也; 児玉 幸三; 正木 圭; 朝倉 伸幸; 伊丹 潔; 滝塚 知典

Fusion Energy 1996, Vol.3, p.555 - 563, 1997/00

JT-60Uにおいて、現在のオープンダイバータから排気装置付のW方形状のダイバータへの改造が進められている。同時に、排気系のためのNBI排気装置の改造、ガス注入装置の再配置及びペレット装置の改造も取り行われる。改造は、低温・高密度ダイバータによる熱除去及び排気、不純物の制御と主プラズマの閉込め性能の両立性を目標とするものであり、工学設計について述べる。一方、シミュレーションコードを用いて、W型形状の効果や排気による制御について性能評価を行った結果をもとに設計の妥当正を議論する。

論文

トカマクの内部輸送障壁形成と閉じ込め改善

岸本 泰明; 藤田 隆明

日本物理学会誌, 52(11), p.854 - 857, 1997/00

JT-60の反転磁気シア放電実験で観測された急峻な圧力分布の変化を伴う内部輸送障壁の形成と、それによる閉じ込め改善現象について報告する。この放電においては、イオン温度のみならず、電子温度や電子密度にも顕著な障壁が形成されるのが特徴である。論文においては、輸送障壁における最大圧力勾配の半径と安全係数最小の半径が密接に連動していることに着目し、輸送障壁形成を説明する物理モデルの提案を行った。これはトカマクのトロイダル結合効果によってプラズマ中に発生する巨視的な乱流構造が、磁気シアの消失する安全係数最小の領域で分断され不連続面が形成される結果によるというものであり、完全トロイダル配位の粒子シミュレーションにおいてもその存在が確認された。

論文

Behaviour of radiation power loss from radiative divertor with reversed shear plasmas in JT-60U

玉井 広史; 木島 滋; 朝倉 伸幸; 伊丹 潔; 逆井 章; 細金 延幸; 東島 智; JT-60チーム

Proc. of 24th European Physical Society Conf. on Controlled Fusion and Plasma Physics, 21A, p.493 - 496, 1997/00

JT-60Uの放射冷却ダイバータプラズマにおいて、放射冷却のためにパフするガスの種類を変えてダイバータ放射損失量を比較した。冷却効率もリサイクリング率も高いネオンを用いた場合、最も少ないパフ量でダイバータ放出損失量を高めることができたが、同時に主プラズマ領域へのネオンの流入による主プラズマの放射損失の増大が観測された。通常シアのELM付Hモードでは、ダイバータ領域での放射損失増加に伴い分布のピークはX点の方向に移動し、やがてMARFEの発生による周辺プラズマの不安定性をもたらす。一方、逆転シア配位では、分布のピークがX点を越えてセパラトリクスの内側まで移動した状態でダイバータ放射損失量の高い状態で安定に維持される。一方、閉じ込めの改善度はダイバータ放射冷却の増加とともにいずれの配位でも劣化しており、改造ダイバータの重要課題の一つとして解明が期待される。

論文

Time evolution of transport properties in JT-60U H-mode plasmas with improved core confinement

白井 浩; 滝塚 知典; 小出 芳彦; 鎌田 裕; 石田 真一; 森 雅博; 内藤 磨; 佐藤 正泰; 伊世井 宣明; 福田 武司; et al.

Plasma Physics and Controlled Fusion, 38(8), p.1455 - 1460, 1996/08

 被引用回数:5 パーセンタイル:20.74(Physics, Fluids & Plasmas)

JT-60Uの中心イオン温度が20keVを越える中心閉じ込め改善モードプラズマにおいてLモードとHモードの間を遷移する際の閉じ込め改善度の時間変化を解析した。電子温度とイオン温度が増加の過程にあり、閉じ込め改善度が近い時に起こる最初のL-H遷移では、閉じ込め改善度は瞬時に増加するが、Hモード遷移後も閉じ込め改善度はエネルギー閉じ込め時間$$tau$$$$_{E}$$のゆっくりした時間スケールで引き続き増加するといった、2段階の異なった時間スケールで変化することを明らかにした。一方追加熱後十分時間が経過し(1秒以上)閉じ込め改善度がほぼ頭打ちになった時に生じるH-L遷移及びそれに続いて発生するL-H遷移では、最大閉じ込め改善度と最小閉じ込め改善度の間を、$$tau$$$$_{E}$$よりも短い時間スケールで増減することを明らかにした。

論文

1995年米国物理学会プラズマ物理分科会報告

木村 晴行

プラズマ・核融合学会誌, 72(2), p.170 - 171, 1996/02

1995年11月6日-10日に開催された米国物理学会プラズマ物理分科会の報告を行う。米国の磁気核融合開発予算の削減があったものの、全体の発表件数は前回並みであった。磁場閉じ込め核融合関係ではトカマクにおける反転磁気シアが話題の中心であった。TFTR、DIII-D、JT-60U等から反転磁気シアによる閉込めの改善、輸送解析、MHD安定性解析、非誘導電流分布制御による維持等、多くの発表があり、トカマクの性能向上に新しい展開が見られた。(概要及び磁場閉じ込め核融合分野の執筆を分担)

論文

Analyses of electron and ion transport properties in JT-60 H-mode plasmas with improved core confinement

白井 浩; 滝塚 知典; 佐藤 正泰; 小出 芳彦; 平山 俊雄

Europhysics Conference Abstracts, 20C(Part1), p.339 - 342, 1996/00

JT-60Uの中心閉じ込め改善モードプラズマ(ICCプラズマ)における電子とイオンの熱輸送特性を、H-L遷移の直前及び直後で比較した。電子及びイオンの熱拡散係数のH-L遷移における相対変化$$delta$$$$chi$$e/$$chi$$e、$$delta$$$$chi$$i/$$chi$$iはプラズマ電流に依存しないことが判明した。また、蓄積エネルギーの熱化成分の経験則を用いたエネルギー閉じ込め改善指標(THファクター)のH-L遷移における相対変化との関係を研究した結果、$$delta$$$$chi$$e/$$chi$$eは比較的低い$$delta$$TH/THの値で飽和するのに対して、$$delta$$$$chi$$i/$$chi$$iは$$delta$$TH/THと共に増加すること明らかにした。このことにより、Hモードプラズマにおけるエネルギー閉じ込め性能の向上において、イオンの熱輸送軽減が重要であることを明らかにした。

論文

トロイダルプラズマの閉じ込め改善

木島 滋; 東井 和夫*

プラズマ・核融合学会誌, 71(2), p.109 - 126, 1995/02

最近のトロイダルプラズマ(トカマク及びヘリカル)のエネルギー閉じ込めの改善に関する実験の現状と今後の課題について概説する。閉じ込めの改善度はここ10年でLモードの約4倍に達した。トカマクではHモード等プラズマの端での閉じ込め改善、スーパーショットなど中心部での顕著な改善及び高ベータポロイダルHモードやVHモードなど両者の複合型、に分類出来る。Hモードは又ヘリカル装置でも観測されるようになり、磁場構造の違いからトカマクと相補的である。それぞれのモードについての理解の現状と問題点を述べ、電流分布や回転分布の研究を中心とした今後の課題を摘出した。又将来の定常化に向けた改善研究についても触れ、高性能トカマクの概念構築を目指す提案なども紹介した。

論文

Recent progress in JT-60U experiments

閨谷 譲

Fusion Engineering and Design, 30, p.25 - 37, 1995/00

 被引用回数:1 パーセンタイル:17.53(Nuclear Science & Technology)

JT-60Uでは、「閉じ込め改善」と「定常化研究」を主なテーマとして実験を行っている。閉じ込め改善の分野では、加熱分布を制御することにより、高$$beta$$$$_{P}$$ Hモードの最適化を推進した。定常化研究においては、ITERの物理R&Dの主要課題でもあるダイバータの熱負荷低減のための放射冷却ダイバータの研究、核融合プラズマの核反応$$alpha$$粒子等、高速イオンによって引き起こされる不安定性(TAEモード)の研究等が進展した。ディスラプション回避及びそれに伴う電磁力の低減化研究では、エネルギークエンチ直前の蓄積エネルギーとプラズマ電流消滅時間との関係を明らかにした。また、第一壁のディスラプションによる破損の現象から、ハロー電流のトロイダル方向の非一様性を評価した。

論文

H mode of high toroidal field plasmas in JT-60U

佐藤 正泰; 菊池 満; 福田 武司; 竹永 秀信*; 鎌田 裕; 森 雅博; 白井 浩; 滝塚 知典; A.A.E.von-Blokland*; 石田 真一; et al.

IAEA-CN-60/A2-9, 0, p.265 - 274, 1995/00

核融合研究における最も重要な課題の一つは、高電流、高トロイダル磁場におけるHモードの理解である。この目的の為に、高トロイダル磁場(Bt$$<$$4.4T)、高アスペクト比(R/a=4、R:大半径、a:小半径)の中性粒子入射加熱のJT-60UプラズマのHモードを調べ、以下の事が判明した。1)LモードからHモードへの遷移パワー閾値の比例則(Pth=0.6Bt$$^{1.5}$$R・a)を見い出した。2)閉じ込め改善度にITER-89P則より強いq依存性があり、この閉じ込め改善が、ELMの出現により制限される。3)このELMは、バルーニングモードに起因する。4)Lモードに比べ閉じ込めが改善された時でも、比$$tau$$$$_{P}$$/$$tau$$$$_{E}$$は($$tau$$$$_{P}$$:粒子閉じ込め時間、$$tau$$$$_{E}$$:エネルギー閉じ込め時間)1.5以下であり、良い粒子排気性能が確保されている。

論文

Transport and exhaust of helium ash in enhanced confinement regimes on JT-60U

逆井 章; 久保 博孝; 細金 延幸; 杉江 達夫; 東島 智; 伊丹 潔; 朝倉 伸幸; 小出 芳彦; 清水 勝宏; 櫻井 真治; et al.

IAEA-CN-60/A2/A4-P12, 0, p.95 - 103, 1995/00

ITER等の実験炉で設計する際に重要な課題の一つとなっているヘリウム灰の輸送と排気について、JT-60Uにおける閉じ込め改善領域で調べた。ヘリウム灰を模擬するためにヘリウムビーム入射による中心補給及びヘリウムガスパフによる周辺補給を行い、ヘリウムの輸送、振舞、排気を調べた。閉じ込め改善領域として、ITERで注目されているELMのあるHモード及び閉じ込め改善度が2程度ある高$$beta$$$$_{P}$$ Hモード、さらにLモードで実験を行った。荷電交換再結合分光法(CXRS)によりヘリウムの密度分布及びその時間変化からヘリウムの輸送係数を決定した。可視の分光測定からダイバータ部のヘリウム及び重水素のリサイクリング粒子束の空間分布を測定し、プラズマ中心のヘリウム濃度との関係を明らかにした。また、中性粒子圧力測定からWall Pumpingによりヘリウムが排気され、ヘリウムビーム入射中でもヘリウム濃度を一定に保てることを検証した。

論文

Steady state high performance in JT-60U

鎌田 裕; 牛草 健吉; 閨谷 譲; 内藤 磨; 小関 隆久; 河野 康則; 芳野 隆治; 久保 博孝; 藤田 隆明; 石田 真一; et al.

IAEA-CN-60/A5-5, 0, p.651 - 661, 1995/00

電流分布と圧力分布の最適化によって、ELMのあるHモード(ELMy Hモード)におけるプラズマの総合性能が大きく進歩した。n$$_{D}$$$$tau$$$$_{E}$$Ti(0)=4-5$$times$$10$$^{20}$$m$$^{-3}$$skeVの高核融合積状態を最長で1.5秒維持することに成功した。また、ブートストラップ電流とNB駆動電流の和により、I$$_{P}$$=0.5MA~1MAでの完全電流駆動を達成すると同時に、規格化ベータ値~2.8-3.2、ポロイダルベータ値2.6~3及び閉じ込め改善度=2~2.5を維持することに成功した。これらの成果は、MHD安定性の向上によるものである。

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